先日ベトナムの国会議事堂(設計:GMPインターナショナル /ドイツ)にはじめて入ることができました。知人のご好意で国会議事堂の地下にある遺跡展示施設見学に参加させていただきました。 ハノイに都ができたといわれた1000年以前にも宮殿があったことがわかる掘立柱の跡や瓦や埋葬品などがある層、1000年以降の首都ハノイの宮殿の礎石や瓦や埋葬品などがある層の2層からなる遺跡の出土品などの展示がされています。
この施設は残念ながら一般公開されていませんが、内容的にも設備的にもハノイの博物館施設で随一のもので、ハノイにいらしたひとがこの展示をみてから街をまわるといっそう楽しめると思います。国会議事堂の地下にあるのでセキュリティなどの障壁はあるかと思いますが、ぜひとも一般公開して欲しい施設です。
以下、写真を紹介します。
展示は時代に合わせてB2とB1の二層に分かれています。
まずは1000年以前のレイヤーへ。
この時期は瓦がまだ黒色をしている。製法、材料についてはまだ特定できていないとのこと。巴瓦の模様がかわいい。顔をかたどっているのは鬼なのか?中国っぽくもクメールっぽくもない感じ。
鬼瓦
柱は掘っ立て柱。発掘時の写真をスライドで。作業員が立っているのが柱が立っていた場所。
出土品にはアラビア半島など海外からの調度品も。このような大きな破片が残っているのはベトナムでは稀。
以下は上のレイヤー
展示会場全体で出土した宮殿建物跡を再現。赤い照明は柱の位置を示している。
柱は礎石の上に丸柱。柱脚の装飾も発掘されている。細工がこまやか。
瓦の色が黒色から現在のハノイの瓦と同様の赤色に変化。
棟飾りは中国にはなくクメール文化の影響か。モチーフもクメールのものに近い。棟飾りは寺や祠の屋根の特徴として現在でも残っている。
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